古くむかしから日本庭園は、四方を海で囲まれている日本ならではの「海景の美」を再現したものといわれています。
当時の貴族は住居正面の庭に池をつくり、中には島を浮かべ海の様子を表現しました。
美しい海辺の風景を自宅にいながら眺め楽しんでいたのですね。
しかし土地の形状が適なかったり、庭に水を引き込むことが困難な状況が多かった時代でした。
諸説ありますが、平安時代には砂や石使って海(水)を表現する手法がとられはじめました。
砂に模様を描き、水の流れに見立てたり、岩を据えることで水辺を抽象的に表現したのです。
貴族の夢、憧れの景色であった庭でしたが、のちに武家や禅宗との関わりが多くなり
塀に囲まれ独立した場所に水を用いない庭「枯山水」が確立されました。
枯山水の庭は石を組み樹木を植えて作られましたが、
禅寺における庭には砂と石のみで構成されたものもあります。
無駄なものをそぎ落とし観るものによっていろいろな解釈があるという禅の教えによるもの。
自然と一体となり無心になることでのちに様々なことに気づくのだそうです。
盆栽も鉢の中に自然を感じ、観るものによっていろいろな景色が見える。
枯山水の庭と似ています。
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